天才・つんくの歌詞を考える②

続き。つんく♂の書く歌詞って、絶対つんく♂以外誰にも思いつかないようなパワーワードが1曲に必ずある気がする。


4.奇跡の香りダンス。松浦亜弥

奇跡の香りダンス。
カテゴリ: J-Pop

遊び仲間でも たった10分足らずで
奇跡の恋となる

止まらない愛は もう止めちゃいけない

言葉遊びの中に、突然本質を突くフレーズをぶっこんでくるのがつんく♂流。特に下のフレーズ、これってすごくないですか?止まらない愛はもう止めちゃいけない。確かにそうなんですけど、こういうことを歌に乗せて書く人ってなかなかいないと思います。つんく♂はなんだかんだ、使い古された言葉を使わないところがすこい。

spend the night
そしてララバイ

そしてこの語呂の良さ。日本語の中に英単語が入っていても全然メロディーに違和感がないところ。余談ですが私はあややの巻き舌歌唱が好きで、この奇跡の香りダンス。はあややの巻舌が勢いに乗ってる感じ、疾走感が何回聴いても楽しいです。ちなみにB面に太陽とシスコムーンの「宇宙でLa Ta Ta」カバーが収録されていてめっちゃオススメ。

5.私と私と私 松浦亜弥

私と私と私
カテゴリ: J-Pop

「大人と子供の境界線」を書いた歌詞。

いつまでも 子供のままでいたい
今すぐに 大人だと認めさせたい

ひたむきに 愛したいと感じたり
ひたすらに 朝寝坊していたい

こういう大人と子供というものにかぎらず、無自覚と自覚の境界線に立った人間の苦悩を書いた歌詞はすごく共感します。
「子供」って親の庇護がなければ生活していくことは難しいし、知識も知恵も充分に備わっていない。ただのダメダメ。だって子供だから。
一方で「子供っぽい」とか言われればムッとするし、何とも言えない気持ちになった覚えがあります。思春期は複雑です。

色んな私 羽ばたこう
家族の前でボロボロ泣いている
あれも 私です

「泣いてる私」も「羽ばたいていく私」。

6.時空を超え 宇宙を超え モーニング娘。'14

時空を超え 宇宙を超え
カテゴリ: J-Pop

綺麗だけどどこか脆くてぎこちない曲調。

愛しくて愛しくて 尊さを感じてる
瞳を閉じて 君のことを感じる

トキソラが発表されたのはつんく♂の闘病、さゆ卒業の時期だったし、色んな意味でワンフォーの代表曲だなーと思います。正直言うと最初はつんく♂の遺言のように聞こえてしまって不安しかなかったです。いやいやそんな湿っぽいこと言わないでよつんく♂…みたいな。

恋に破れて山河あり
早くここに来ればいい

私的1番のパワーワード。この部分、大好きなんですが未だに意味がよくわかってないです。今までつんく♂は「人生って素晴らしい」、受け身ではなく人生において自分から一歩踏み出すこと、人生への肯定感を書いてきました。そんなつんく♂が「ここ」に早く来てくれと願っています。ライナーノーツを見る限り、新メンバーに向けてのメッセージかなと考えたけど違う気がする…

遠い未来は分かるのに
明日の事が決められない

抽象的な歌詞が多い中ここでちょっとストレートで、ドキっとする歌詞を入れてくる。これはさゆの卒業後ことを指している気もするけど自分自身にも当てはまります。

寂しくて眠れない そんな日だってあるでしょ
悔しくて泣いたって いいから

君はどんな声で歌う
君はどんな声で笑う
また次の世でも会えるかな
切ないよ

最近このフレーズを見るとズッキを思い出します(笑)

加入当初、ダンスが1人落ちこぼれだったズッキ。
泣かないで歯を食いしばり、涙をこらえて必死に練習してたちっちゃいズッキに何度も泣かされました。なんだかんだで短期間で仕上げて振りもバッチリ、初のPVではこの笑顔。天性のアイドルだったと思います。